●裁判官 伊東讓二
●審級情報 控訴審(平成15年(ネ)第308号)で被告側控訴棄却(平成15年8月7日)
●貸金業法17条、18条、19条、43条

●要旨

貸金業者である被告から金員を借り受けていた原告Aが、被告に対し、利息制限法所定の制限利率による元本充当計算を行うと過払金が発生するとして、不当利得返還請求権に基づき過払金及びこれに対する商事法定利率年6パーセントの割合による利息の支払いを求めるとともに、被告が原告ら代理人の取引経過開示の求めを拒否するなどしたため本件訴訟を提起せざるを得なかったことが不法行為に該当するとして、慰謝料及び弁護士費用の支払いを求めた事案である。
裁判所は、被告は貸金業者であり、原告Aの支払いを受けたときに利息制限法所定の制限利率を超える利息及び損害金を受領した認識は当然あったといえ、少なくとも過払いである支払いを受けた日から悪意の受益者として利息を支払う義務が生じ、この場合、その利息の利率は、原則として民法所定の年5パーセントとなるが、本件の場合、利得者である被告は商人(貸金業者)であり、利得物(金員)を営業のために利用し、収益をあげていることは明らかであるから、その利率は商事法定利率により、年6パーセントとすべきであるとし、また、貸金業者は、消費者の依頼した弁護士から受任通知並びに残債務及び過払金の有無、金額を明らかにするために全取引経過の開示を求められたときには、信義則上、これに誠実に対応すべきであって、これを拒絶する正当な理由がない限り、開示要求に応じるべき義務があるというべきであり、これに反して全取引経過の開示を拒否した場合は、不法行為責任を負うものと解するのが相当であるとして、過払金及び慰謝料、弁護士費用の支払いを認めた。

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