●060519 大阪地裁 個人情報の漏洩
●大阪地裁 平成16年(ワ)第5597号、同第4441号 損害賠償請求事件(平成18年5月19日言渡)
●裁判官 山下郁夫、横路朋生、矢野紀夫(11部)
●代理人 川村ほか
●関係法条 電気通信事業法,電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン5項4項,個人情報保護法20条
●事案 電気通信サービス業者の会員の顧客情報が外部に漏洩してことについて,自己の情報をコントロールする権利が侵害されたことを理由に,損害賠償請求がなされた事件

●要旨

◎ 被告Aは電気通信事業方上の電気通信事業者として,顧客の個人情報への不正なアクセスや顧客情報の漏えいの防止その他の個人情報の適切な管理のための必要な措置を講ずる義務を負っていた。
◎ リモートアクセスを可能にすることは,それ自体,当該サーバーに対する外部からの不正アクセスの危険を高めるものであるといえる。必要性がない場合又は必要性のない範囲にリモートアクセスを認めることは許されず,また,リモートアクセスを可能にするに当たっては,不正アクセスを防止するための相当な措置を講ずべき注意義務を負っていた。
◎ 被告Aにおけるリモートアクセスの管理体制は,ユーザー名とパスワードによる認証以外に外部からのアクセスを規制する措置がとられていない上,肝心のユーザ一名及びパスワードの管理が極めて不十分であったといわざるを得ず,同被告は,多数の顧客に関する個人情報を保管する電気通信事業者として,不正アクセスを防止するための前記注意義務に違反したものと認められる。
◎ 住所、氏名、電話番号、メールアドレス、申込日などの情報についても,本人が,自己が欲しない他者にはみだりにこれを開示されたくないと考えることは自然なことであり,そのことへの期待は保護されるべきものであるから,これらの個人情報は,原告らのプライバシーに係る情報として法的保護の対象となる。
◎ 精神的苦痛に対する慰謝料としては一人あたり5000円と認めるのが相当。

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