●080912 東京地裁
●東京地裁 平成20年(ヲ)第80135号 取引履歴開示間接強制事件(平成20年9月12日決定)
●裁判官 浅岡千香子(21部) 
●代理人 荒井ほか
●基本事件 同庁平成20年(ワ)第15584号 受託事務報告請求事件

●担当弁護士のコメント

◎ 高齢者から私募ファンドへの投資金名下に金銭を騙取する業者に対して、取引履歴の開示を求める本案訴訟を提起し、業者が請求を認諾するに至った。しかしその後も任意の開示はなく、直ちに間接強制の申立を行った。執行裁判所には開示書類の趣旨であると強弁するものとして不十分な書類が送付されるなどした。
◎ 損害の算定について、いわゆる「被害金額」の消滅時効期間との比率で算定するという考え方についての意見を裁判所から求められたのに対して、「裁判所は、一応損害額を考慮に入れつつも、債務の目的や性質その他の事情を考慮して、予測される損害賠償額に拘束されることなくその裁量により債務の履行を確保するため相当と認められる金額の支払を命じうるのであり、かつ、そのような観点から支払を命じる金額を決定するべきであり、本件事案において開示請求権の間接強制のための損害金を開示請求に係る取引金額に直接的に関連させて検討することは適切でない」旨の意見書を提出するなどし、本決定を得た。
◎ 結果、被害者1人あたり1日あたり15万円の損害金が認められた。金融商品会社(まがい会社を含む)に対する取引履歴等の開示に関する間接強制決定は今までないのではないかと思われ、1日15万円(3人で45万円)という違約金も正当な理由なく取引の内容や金銭授受の履歴を開示しない業者に対して開示をさせる相当の動機となりうるものと評価する。
   なお、参考のため意見書2も添付する。 

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