●090706 大分地裁 先物取引和解金課税
●大分地裁 平成19年(行ウ)第6号 所得税更正処分等取消請求事件(平成21年7月6日言渡)
●裁判官 一志泰滋 他(2部)
●代理人 山本洋一郎 他

●要旨

◎ 本件は、原告と違法な取引勧誘行為を行った先物取引業者との間で平成13年11月6日に成立した訴訟上の和解に基づき、に先物取引業者から原告に対して、同月21日及び29日支払われた和解金1900万円のうち、必要経費(弁護士費用)を控除した残額1436万4700円について、処分行政庁が、原告の平成13年分の雑所得に当たるとして総所得金額及び納付すべき税額を算定し、平成17年3月2日付けで更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を行ったことに対して、原告がこれらの処分の取消しを求めた事案である。
結論としては、処分行政庁が当該更正処分のうち、総所得金額2406万2791円、納付すべき税額464万2800円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分のうち、6万6000円を超える部分をいずれも取り消した。

◎ 争点
(1)本件和解金が所得税法7条の「所得」に該当するか。
(2)本件和解金が所得税法9条1項16号、同法施行令30条2項が規定する非課税所得に該当するか。
(3)本件和解金が、法施行令30条2号括弧書、94条1項柱書、同項2号が規定する非課税所得の除外規定に該当するか。
(4)本件和解金が、法施行令30条柱書括弧書が規定する非課税所得の除外規定に該当するか。
(5)本件和解金の帰属年分

◎ 裁判所の判断
・争点(1)について
所得税法=統一的・画一的な税務処理等の観点から各人に発生した経済的利得は広く「所得」に当たるとした上で、非課税とすべきものは別途個別的に規定。ある収入が「所得」に該当するか否かについては、単にその支払名目から判断するのではなくその実質に着目して判断すべき。
本件和解金の実質は不法行為に基づく損害賠償金及び遅延損害金。原告は、本件和解金を取得したことにより経済的利得を得たといえる。

右クリックで判決PDFの表示か保存を選択1.57MB)


検索結果一覧へ戻る
検索システムTOPへ戻る

アクロバットリーダーダウンロードはこちら
PDFファイルをご覧いただくには、
Adobe Acrobat Reader
もしくはAdobe Readerが必要になります。
お持ちでない方は、アイコンをクリックして
ダウンロードしてください。



※要旨は、検索の便宜のためのもので、内容に責任は持ちません。
著作権は兵庫県弁護士会にありますが、引用やコピーは自由です。