くらしの法律相談

1997年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「店舗全壊で借金返せず−破産の申し立ても可能」神戸新聞 1997年4月3日掲載

執筆者:永井 幸寿弁護士

震災後は、店舗をなくした自営業者も多く、借金返済に追われるケースが目立ちました。今回の相談者も店が全壊し、借金だけが残ったといってきました。

弁護士:どうしました。

相談者:震災で店がつぶれて廃業しました。自宅兼店舗だったところが全壊したのです。

弁護士:今はどうしているのですか。

相談者:はい、仮設住宅に住んでいます。

弁護士:足はどうしました。歩きにくそうですが。

相談者:震災で十時間生き埋めになった時の障害か残リました。

弁護士:大変でしたね。今、仕事はどうしてます。

相談者:高齢ですし、この体では仕事はありません。借金だけが残りました。そのことで相談に来たのです。

弁護士:借金というと。

相談者:店をしていた時に借りた資金です。震災前は、借りては返済して何とか金を回していたのですが、震災で廃業してからは返済できなくなりました。どうすれば良いでしょうか。

弁護士:借金はいくらですか。

相談者:四百万円です.五社から借りました。返済のめどがたたず、利息だけが増えていきます。

弁護士:店はあなたのものではないのですか。

相談者:借家です。つぶれたので、もう借りていません。敷金は返してもらいましたが生活費に充てました。

弁護士:今の生活費はどうしてますか。

相談者:生活保護を受けています。

弁護士:借金の催促はありますか。

相談者:震災後、半年ぐらいはありませんでしたが、最近は厳しいです。震災までは人に後ろ指さされずにやってきたのに、もう情けなくて。

弁護士:破産の申し立てをしてはどうですか。裁判所に破産の申し立てをすると、破産宣告の後、管財人があなたの財産を換金して債権者に平等に分配します。あなたに財産はありますか。

相談者:何もありません。震災で家具すら失いました。

弁護士:財産がない場合は、破産の宣告があれば手続きは終了します。その後に免責の決定があれば借金が帳消しになります。

相談者:破産の申し立ては弁護士に頼むのでしょう。お金がありません。

弁護士:法律扶助協会に申し込んで、審査を通れば弁護士費用を立て替えてくれます。詳しいことは、神戸弁護土会内にある法律扶助協会に聞いて下さい。