くらしの法律相談

2000年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「サラ金の借金−任意整理することも可能」神戸新聞 2000年8月23日掲載

執筆者:蔭山 文夫弁護士

相談者:実は、生活が苦しくて、一〇年ほど前からサラ金で借金をしてきたのですが、それが一二社で三〇〇万円くらいになって、もう返せそうにないのです。

弁護士:もし返済していくとしたら、毎月、どのくらい返済にあてられますか。

相談者:三万円がやっとだと思います。やっぱり自己破産しかないのでしょうか。

弁護士:基本的にはそう思います。

相談者:でも、破産してしまうと、公民権が停止されたり、戸籍が汚れたり、ブラックリストに載って、子供たちの就職にも影響がでてしまうのではないですか。

弁護士:まず、公民権に関しては全くのデマです。破産しても選挙権や被選挙権が失われることはありません。それから、破産の事実は、戸籍ではなく、本籍地の市区町村役場の破産者名簿に記載されますが、これは一般の人が勝手に見られるものではありません。そして、破産とかクレジットローンの事故などは、信用情報機関に登録されますが、登録の内容に、年収・家族・趣味等の情報は登録されません。ましてや、登録される期間は、信用情報機関にもよりますが、五年から七年です。本人以外の信用に影響されることはありません。

相談者:そうはいっても、私の住んでいるところは田舎で、破産の噂はすぐ広まってしまいます。

弁護士:消費者金融というのは、利息制限法で定められた範囲を超えた高利をとっていますから、長い間取引していたのなら、利息制限法を超える部分の利息の支払を元本の支払にあてたものとして計算し直して債務を減少させることが可能です。もし、利息制限法の引き直し計算で払い過ぎていたら、その分を返してもらうことも可能です。これを任意整理といいます。

相談者:それでしたら、是非任意整理をお願いします。

弁護士:任意整理の場合、弁護士から業者に取引履歴の開示を請求することになりますが、業者によっては、過去の取引履歴をすべて出さないところもあります。だから、返済の際の受取とか、振込の際の利用明細等、証拠が残っていないと難しいこともあります。預金通帳に振込がされたことが記帳されいるだけでもいいのですが。

相談者:五年くらい前のなら残っています。