くらしの法律相談

2001年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「マンションでのペット−飼育ルールを提案しては」神戸新聞 2001年5月2日掲載

執筆者:吉田 邦子弁護士

分譲マンションに住んでいますが、小型犬(マルチーズ)を飼っています。マンションの管理組合から「管理規約でペットは飼ってはいけないことになっている。すぐに何とかするように」との警告を受けました。自分の所有している室内でペットを飼うのがどうしていけないのですか。

弁護士:マンションでは一つの建物の中に多数の入居者が暮らしている関係で、隣近所の生活ぶりがお互いに影響します。そのため、法律上、管理規約によって入居者の共同生活の利益に反する行為を制限することが認められています。ペットの飼育は他の入居者に不快感を抱かせることがあり、入居者間でのトラブルのもととなる恐れがあるため、管理規約で禁止されているケースがよくあります。

相談者:うちの犬は一日中家の中で過ごし、散歩のときも私が抱っこしています。他の入居者の方々に迷惑を掛けるようなことはないのですが。

弁護士:裁判例の多くは、ペットの飼育による具体的な被害の有無を問わず一律にペットの飼育を禁止する管理規約も有効であると判断しています。

相談者:このまま飼い続けた場合は、どんなことになりますか。

弁護士:管理組合が犬の飼育禁止を求める民事訴訟を起こした例があり、被告の飼い主に対し建物内で犬を飼育してはならないとの判決が出されたものもありますよ。

相談者:私にとって犬は家族の一員であり、手放すことなど考えられません。何とかこのまま飼い続けることはできないものでしょうか。

弁護士:あなた以外にも同じように悩んでいる方もおられるかもしれませんね。犬を手放せない事情を説明し、細かい飼育ルール定めた上で、現在飼っている犬に限って飼育を認めてもらう方向で管理組合と話し合いをしてみましょう。最近は、子供の情操教育やいやしの効果からペットの意義が評価され始めていますので、ペットを飼えるマンションも増えてきています。このようなマンションの管理規約を参考にして、こちらから飼い主が守るべき飼育ルールを具体的に提案していってはどうでしょうか。