くらしの法律相談

2002年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

<<2002年掲載一覧へ戻る

「付きまとい−ストーカー規制法が威力」神戸新聞 2002年2月5日掲載

執筆者:若本 修一弁護士

22歳のOLです。数年前に別れた恋人から、毎日のように付きまとわれて困っています。どのような法的措置を取ることができるのでしょうか。

弁護士:どのような被害を受けていますか。

相談者:電話やメールで執ように復縁を迫られ、時には自宅付近で待ち伏せされたりもします。

弁護士:その場合、民事上は面会強要禁止などの仮処分や、不法行為に基づく損害賠償を請求することができます。

相談者:刑事事件としては、どのように取り扱ってもらえますか。

弁護士:相手方の男性が、「自分と交際しないと殺す」などと言うようなら脅迫罪が成立しますし、勝手に自宅に入り込むような場合には住居侵入罪が成立します。

相談者:私のように、単に付きまとわれているだけでは取り締まってもらえないのでしょうか。

弁護士:いいえ。2000年11月24日から「ストーカー規制法」が施行されました。この法律によれば、付きまといなどの行為も取り締まることが可能です。

相談者:具体的には、どのような行為が取り締まりの対象になりますか。

弁護士:待ち伏せしたり、拒まれているにもかかわらず連続して電話をかけたりすることのほか、汚物を送る▽名誉を害することを告げる▽性的しゅう恥心を害する文書を送りつける▽無言電話をかけたりすること−などが対象になります。これらの行為を同じ人に繰り返すことをストーカー行為と呼んでいます。

相談者:被害者はどのように保護されるのですか。

弁護士:警察に申し出れば警告を発し、緊急時には仮の命令を出してくれます。またストーカー行為は告訴でき、裁判で有罪になると、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。

相談者:相手方が警告に背くとどうなりますか。

弁護士:警告を受けても行為をやめない場合、公安委員会から禁止命令が出されます。これに違反して待ち伏せなどをすれば50万円以下の罰金に、ストーカー行為に至った場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処されます。なお、ストーカー規制法が適用されるためには、行為者に恋愛感情を満たす目的のあることが要件となります。

相談者:警察へは証拠も持っていくべきですか。

弁護士:もちろん。電話や待ち伏せ行為の日時、回数を小まめに記録しメールや手紙は保存しておくことが大切です。以上のような法的措置のほか、電話番号を変えたり、場合によっては転居も検討してください。警察に自宅周辺をパトロールしてもらったり、電話対策を取ることも有効でしょう。