くらしの法律相談

2002年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「ストーカー行為−裏付け資料を添えて警察へ」神戸新聞 2002年4月2日掲載

執筆者:梁 英子弁護士

付き合っていた彼がとても支配的で暴力を振るうので、思いきって別れました。ところが、その後もつきまとわれ、職場や自宅にしつこく電話がかかり困っています。

弁護士:まず、地元警察署の生活安全課に相談してください。その際、相手の行為について、思い出せる限り日時順に書いて持参します。電話の受信記録や手紙など、行為を裏付ける資料もすべて添えてください。

相談者:警察は、男女のトラブルには介入しないと聞きますが・・・。

弁護士:確かに、これまで女性に対する暴力は、夫婦や恋人間だけの問題と見られがちで、被害者の救済が図られないという問題がありました。しかし2000年11月14日からストーカー規制法が、2001年10月13日からドメスティック・バイオレンス(DV)防止法が施行され、警察も被害救済にかなり積極的に取り組むようになっています。状況を客観的に伝えることが大切ですから、弁護士の助力が必要な場合には、法律相談も是非受けてください。

相談者:ストーカー規制法では、どういう行為が処罰されるのですか。

弁護士:恋愛感情が満たされなかったことに対するうらみなどを充足する目的で、あなたや家族などに対して、つきまとい、待ち伏せ、見張り、押し掛け、無言電話や拒否後の頻繁な電話、ファックスを送る行為などを禁じ、違反に対しては懲役や罰金を定めています。被害者の申し出を受けた警察署は捜査のうえ、つきまとい等が反復して行われる恐れがあると認めるときには、警察署長名などで相手方に「警告」することができます。これに従わないときには公安委員会が「禁止命令」を出すことができます。

相談者:それでも毎日の生活の安全が心配です。

弁護士:ストーカー規制法では、被害防止のために警察が必要な援助を行うことが規定されています。自衛方法を教えたり、パトロールの強化、防犯ブザー電話・録音装置などの被害防止物品貸し出しなどの援助を受けることもできます。

相談者:DV防止法は、私のケースにも適用されるのですか?

弁護士:DV防止法は、夫や内縁の夫から暴力をふるわれている被害者からの申し立てにより、裁判所が被害者への接近禁止命令や住居からの退去命令を出すことができると定めています。
申し立てには、少なくとも共同生活(事実婚)をしている必要があるとされているので、あなたの場合、DV防止法による命令を求めることはできません。

相談者:ストーカー規制法以外には何か使えませんか?

弁護士:暴力は、たとえ恋人間であっても犯罪です。暴行・傷害・強姦・監禁などの行為でも、警察への告訴により刑事事件にしてもらうことができます。ケガをしたときには、必ず医師の診断書をとってください。