くらしの法律相談

2002年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「交通事故の示談−治療など終了後話し合いを」神戸新聞 2002年12月3日掲載

執筆者:谷垣 竹夫弁護士

1カ月前に交通事故に遭い通院中ですが、加害者から早く示談を、といわれています。どうしたらいいでしょう。

弁護士:警察に事故を届け、任意保険に入っている場合は保険を使う可能性もあるので、保険会社(代理店)にも報告してください。

相談者:一般的に、交通事故の示談はどのようにして成立するのですか。

弁護士:けがをした人がいれば病院で治療してもらい、治療が終了するのを待ちます。車が壊れていれば修理してもらいます。その後、当事者間で話し合って損害金額を決め、示談書を作っています。

相談者:損害金にはどのようなものがありますか。

弁護士:人的損害と物的損害があります。人的損害は通常、病院での治療費、治療期間の休業損害、けがと後遺症に対する慰謝料、将来の逸失利益です。物的損害は車の修理代、その他の物を壊していればその修理代などがあります。

相談者:示談の手続きが全然分かりません。

弁護士:交通事故では自分が(1)被害者(2)被害者かつ加害者(3)加害者−の場合があります。(2)と(3)では、任意保険に加入していれば保険金が支払われることが多いので通常、保険会社の担当者が相手方と交渉してくれます。(1)の場合、相手方が任意保険に加入していれば、相手方の保険会社の担当者と連絡を取りながら治療を受けるなどしてください。

相談者:自分で交渉しなければならないときはどうすればよいでしょう。

弁護士:(1)に該当しますが、治療を終え、車の修理もしてもらった上で、相手方の保険会社の担当者から損害金を提示してもらってください。提示金額が理解できなかったり不満がある場合、担当者に正直に言ってください。それでもまとまらなければ弁護士に相談を。

相談者:まだ治療中なのに、相手が早く示談を、と言ってきます。

弁護士:治療中なら今後も治療費が必要であり、場合によれば後遺症が出るかもしれません。一度示談をしてしまえば、その後にさらに損害が発生しても、前の示談書を無効にするのは大変です。車の修理も終え、十分に治療を受けてから示談をしてください。