くらしの法律相談

2003年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「ごみ出しのルール−守らなければ罰則適用も」神戸新聞 2003年2月4日掲載

執筆者:荻野 正和弁護士

隣人がゴミ出しの指定日時や方法を守らないので、生ゴミが猫やカラスに荒らされたり、回収拒否されたゴミが長い間放置されたりして、ひどい悪臭に悩まされています。このままでは耐えられないので、隣人に対して何らかの措置をとることができないでしょうか。

弁護士:念のために確認しますが、その隣人は、飲食店など事業活動により生じたゴミを捨てているわけではないのですね。

相談者:はい。家庭から出たゴミを捨てているようです。

弁護士:それならそのゴミは、市町村の指定に従って捨てなければならず、市町村の指定を無視することは許されません。隣人の行為も許されないこととなります。

相談者:何か法律の根拠があるのですか。

弁護士:「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(廃棄物処理法)が根拠となります。この法律では廃棄物を「産業廃棄物」と「一般廃棄物」と区別しており、家庭のゴミを一般廃棄物に含んでいます。
一般廃棄物の処理は、市町村の定める処理計画に沿って処理されることになっており(同法6条の2第1項)、住民は市町村が行う一般廃棄物の収集、運搬および処分に協力しなければならないとされています(同法6条の2第4項)。

相談者:市町村の指定に従わない場合、何か制裁はあるのですか。

弁護士:同法16条は、「何人もみだりに廃棄物を捨ててはならない」と規定し、違反すると6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられることになります。その隣人が市町村の指定を無視してゴミを捨てている場合、「みだりに廃棄物を捨て」ていると考えられるので、同法による罰則が適用されます。

相談者:私としては一刻も早くゴミの悪臭から解放されたいと思っています。まず何をしたらよいのでしょうか。

弁護士:まず市町村の清掃担当者と相談し、時間外にゴミを出さないようその隣人に指導してもらうとよいでしょう。裁判所の手続きを利用して解決する方法は時間がかかるので、最後の手段として考えておかれるとよいと思います。その場合は、簡易裁判所の民事調停手続きを利用できると思います。詳しい手続きは、裁判所で職員に聞かれるとよいでしょう。