くらしの法律相談

2005年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「分割払いのカメラ−完済まで自由に売買できない」神戸新聞 2005年12月20日掲載

執筆者:大野 昭則弁護士

Q:1年前、2年の分割払いでカメラを買いました。このたび新しい製品が出たというので、買い替えたいと思っています。まだ分割払いの残金は残っていますが、今のカメラを下取りに出して、新しいカメラを買う代金の足しにしたいと思っています。そのようなことはできるのでしょうか。

A:カメラのような高価な商品は、分割払いで購入する場合がよく見られます。分割払いは一度に多額の出費をしなくてすみますので、上手に使えば経済的な負担を減らすことができる点でメリットがあります。分割払いには法律上いろいろなケースが考えられますが、一般の消費者が利用するのは、信販会社がお店に代金を立て替え払いするかわりに、購入者と信販会社との間でローンを組むケースが大半ですので、ローン販売を念頭にお答えします。

分割払いの場合、購入者が残りの代金の支払いを怠ると、信販会社は支払いを受けられなくなり、損害を受ける恐れがあります。そこで支払いが滞った場合に備えて、代金を完済するまで商品は信販会社の所有とする契約になっているのが通常です。つまり、商品は信販会社のものですから、支払いがなされない場合は、信販会社が商品を引き上げて損害が出ないようにするのです。

したがって、ローンで買った商品は代金を完済するまで自由に譲渡や売却したり質入れしたりできない契約になっています。内緒で商品を売却したりすると、その時点で残りの代金を一括して支払わなければならなくなります。

本件では、ローンで買ったカメラを下取りしようとされていますが、このような下取りはローン契約上許されず、ご質問の回答としては、今のカメラを下取りに出すためには残金を完済しなければできないということになります。

もっとも、大半のローン契約では、支払いの中途で残代金の一括払いをすることが可能となっており、その場合には手数料が一部免除される場合が多いようです。残代金を完済すれば、今のカメラは購入者の所有になりますから、新しいカメラを買う際に下取りに出すことも可能となります。

一度、信販会社に残代金の支払額を確認され、一括払いをしたうえで古いカメラを下取りに出すかどうかを考えられてはどうでしょうか。