くらしの法律相談

2006年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「保釈−クリアすべき条件が」神戸新聞 2006年9月5日掲載

執筆者:八木 和也弁護士

Q:10日前、夫が覚せい剤を使用した疑いで逮捕されました。面会したところ、大変反省しており、もう一度信じてみようと思っています。裁判が終わる前でも保釈という制度で釈放されることもあると聞きましたが、どのような制度でしょうか。また、お金が必要になるのでしょうか。

A:保釈とは、保釈金を納めることなどを条件として、裁判所に勾留されている被告人を釈放してもらう制度です。保釈が認められれば、あなたの夫は、裁判が終わる前でも仕事に復帰することは可能でしょう。

ただ、保釈を認めてもらうためには、次の二つの条件をクリアしなければなりません。

まず、お金です。これは保釈金と呼ばれるものです。裁判所は、被告人が逃げてしまわないように担保としてお金を預かり、被告人が実際に逃げてしまったらこのお金を没収するわけです。保釈金の額は、事件の重大性や被告人にどれだけ資産があるかなどによって決まります。

一般的な相場を言いますと、150〜200万円程度です。これだけのお金を用意できることが保釈の一つ目の条件となります。

また法律で、保釈できない6つの場合が定められており、原則としてこれに当てはまらないことが二つ目の条件となります。例えば、被告人が目撃証人に脅しをかけて証言できなくしてしまうおそれがある(と裁判所が認める)場合や、被告人が定まった住所をもたない場合などには、法律で保釈をしてはならないと定められています。

以上の条件がクリアできれば無事、裁判所から保釈してもらえます。ただ、裁判所は通常、保釈にあたって身柄引受人を求めてきます。身柄引受人には、配偶者や両親など被告人の近親者がなる場合が多いようです。

なお、保釈は、検察官が起訴という手続きをした後でなければできません。あなたの夫が逮捕されてから10日しか経っていないということですから、まだ起訴されていない可能性があります。この点をまず警察にご確認ください。なお、保釈は、検察官が起訴という手続きをした後でなければできません。あなたの夫が逮捕されてから10日しか経っていないということですから、まだ起訴されていない可能性があります。この点をまず警察にご確認ください。