くらしの法律相談

2007年 神戸新聞掲載『くらしの法律相談』

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「債務の整理−事情に合った方法選択」神戸新聞 2007年4月17日掲載

執筆者:築山 鮎子弁護士

Q:約2千万円の住宅ローンに加え、消費者金融などに約7百万円の借金があります。
会社員なのですが、返済が苦しく、破産申立も考えました。しかし、いまの自宅を手放したくなく、何か方法はないでしょうか。なお、借金を整理できれば、ローンの返済はこれまで通り可能と思います。

A:借金で生活が立ちゆかなくなった場合、債務の整理をする必要があります。債務整理には様々な方法がありますから、あなたの事情に合う方法を考えましょう。

住宅ローンなどを除外した債務の総額が5千万円を超えず、債務者が個人で、継続的に収入を得る見込みがあるとき、通常の民事再生手続を簡略化した小規模個人再生手続が利用できます。

さらに、給与など定期的な収入を得る見込みがある上、その変動の幅が小さい場合、条件を満たしていれば、債権者の決議なく再生計画が認可される給与所得者等再生手続きを用いることができます。ただし、以前に再生手続きなどで免責を受けた場合などには、一定期間、再生手続きを使うことはできません。

住宅を手放したくない場合、住宅資金特別条項制度の利用も必要です。これは、住宅ローンを負担する個人債務者が、担保権を実行されて住宅を失うことなく再生できるようにするため、再生計画に、ローンの延滞で失った期限の利益を回復させる、弁済期間を延長するなど住宅ローンの返済に関する特別条項を定めるものです。

あなたの自宅にも、住宅ローンの保証会社の求償権を担保するため抵当権が設定されていると思われますので、抵当権の実行を回避するため、住宅資金特別条項を定めた再生計画を作成する必要があるのです。

再生計画で定める内容には、一定の条件があります。また、住宅ローンは、住宅資金特別条項で定めた通りに支払わねばなりませんが、あなたの場合、借金の整理ができれば、ローンの返済も可能ということですから、この方法によるのがよいでしょう。