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甲山事件に関する会長声明

1998年(平成10年)3月27日
神戸弁護士会 会長 間瀬 俊道

 神戸地方裁判所は3月24日、いわゆる「甲山事件」の殺人被告事件と偽証被告事件につき、差戻前の一審判決に引続き2度目の無罪判決を言渡した。この事件は発生以来およそ4半世紀、起訴後20年を経過していて、我が国刑事裁判史上まれに見る長期裁判となった。

 上記の殺人被告事件は逮捕、不起訴、2年5カ月後の再逮捕、起訴、差戻前一審の無罪判決、そして大阪高等裁判所の破棄差戻判決、という異例の展開を辿って来たものであるが、このような特殊性を考慮しても、20年もの間裁判が続いて来たこと自体、憲法が被告人に保障する迅速な裁判を受ける権利を著しく侵害している。加えて同一事件につき2度に亘り言渡された無罪判決の重みを考慮するとき、本件無罪判決に対し、検察官において控訴することは許されないものと考える。この上は1日も早く被告人を刑事裁判から解放すべきであり、これこそ国民の司法に対する信頼に応える、最も正しい道であると確信し、本声明に及ぶ。