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組織的犯罪対策立法に関する会長談話

1999年(平成11年)5月28日
兵庫県弁護士会 会長 丹治 初彦

 政府は、「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案」、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案」及び「刑事訴訟法の一部を改正する法律案」の三法案(いわゆる「組織的犯罪対策立法」法案)について、一部修正のうえ、今国会において成立を図ろうとしています。

 伝えられている修正案では、通信傍受の対象犯罪を薬物関連、銃器関連、集団密航、組織的に行われた殺人に限定するなどの部分的な修正を施しているとのことですが、この修正案を含めて今回の法律案は、将来の犯罪行為についても傍受の対象とする通信傍受という新たな捜査手法を導入し、組織的犯罪の重罰化をはかり、広範囲な犯罪類型にマネー・ローンダリングの処罰規定を設けるなど、国民の人権侵害の危険に直結し、且つ刑事司法制度の根幹にかかわる大きな改変をもたらすものであり、犯罪とは無関係な多くの通信が捜査機関の監視に晒されることになるなど、通信の秘密やプライバシーの権利との関係でも見過ごすことのできない問題点を含んでいます。

 そこで、国会が、これらの法律案について、多くの市民の意見を聴いたうえで、十分な議論を尽くし、慎重な審議をされるよう強く求めてゆきたい所存です。