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いわゆる尼崎公害裁判判決に関する会長談話

2000年(平成12年)2月1日
兵庫県弁護士会 会長 丹治 初彦

会長談話

1.この1月31日、神戸地方裁判所第5民事部は、いわゆる尼崎公害裁判(昭和63年(ワ)第2217号・平成7年(ワ)第1766号尼崎有害物質排出規制等請求事件)において、被告国及び阪神高速道路公団に対し、国道43号線と兵庫県道高速大阪西宮線(阪神高速3号神戸線)を自動車の走行の用に供することにより、沿道原告居住地に浮遊粒子状物質につき1時間値の1日平均値0・15r/‰を超える数値が測定される大気汚染を形成してはならないとの、いわゆる差し止め請求容認の判決を下した。
 これまで裁判所は道路等のいわゆる公共施設の差し止めについて、公共性とか公益性の名の下に消極的であり、大阪高裁における大阪空港訴訟判決以降4半世紀にわたって差し止め容認の判決を得ることが出来なかった。
 かかる意味で今般の判決は画期的内容を持つ。関係機関がこれまでの公共性優先の思想を転換し、より環境対策を進めることを要望する。

2.弁護士会は、弁護士法第1条に定める基本的人権の擁護と社会正義の実現の立場から公害対策・環境保全委員会を常置委員会として設置し、従来より公害被害者の救済と公害防止対策には格別の尽力をしてきた。
 その中で、当会の多くの会員の闘いによって今般の判決を導いたこと、更に、この判決のもつ意義を高く評価し、これを一つの契機として、今後の公害防止対策になお一層の努力を注ぐ所存である。

※本談話は、2月1日、内閣総理大臣、建設大臣、環境庁長官、阪神高速道路公団理事長宛送付したものです。