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兵庫県警自動車警ら隊隊員による捜査書類ねつ造事件に関する会長声明

2004年(平成16年)7月2日
兵庫県弁護士会 会長 滝本 雅彦

1 新聞報道によれば、兵庫県警自動車警ら隊(以下「警ら隊」という)において、2002年及び2003年の2年間だけでも「微罪処分手続書」、「少年事件簡易報告書」などの捜査書類約300件のねつ造(以下「本件ねつ造」という)が発覚し、約180名の隊員の内100名前後が関与していたということである。また、このようなねつ造は10年以上前から行われていたという。

2 警ら隊においては、隊員は軽微な事件を含めて検挙件数に応じて勤務実績が評価され、表彰、昇任、異動の際の重要な資料にされていたことや隊員に検挙目標を設定させノルマ達成を強いていたため、隊員は本件ねつ造により検挙実績を水増ししたものである。

3 新聞報道が事実であるならば、本件ねつ造は、虚偽公文書作成・同行使罪などの刑法犯に該当する違法行為であり、市民の権利と自由を保護し、犯罪の予防、鎮圧を職責としている警察官にあるまじき行為であることは言うまでもない。まして、自らの栄達のために市民の人権を平気で犠牲にするとは、人権感覚の欠如がはなはだしく言語道断といえる。

 のみならず、きわめて多数の隊員が多年にわたり書類のねつ造に関与していたことから、組織的に行われていた疑いが濃厚であり、かつ警察内部のチェックシステムが全く機能しなかった点で、警察に対する市民の信頼を根底から揺るがす由々しき事態というほかない。

4 当会としては、兵庫県公安委員会及び兵庫県警察本部に対して、市民の信頼を回復し、本件のような不祥事の再発を防止するために、以下のことを強く求める。

(1)本件ねつ造に関して、市民が参加した第三者機関による調査を行うこと

(2)本件ねつ造に関する調査結果をすべて公表すること

(3)本件ねつ造に関与した職員及び幹部職員に対する厳重な処分

(4)警察官に対する人権教育の徹底

(5)本件ねつ造の背景にある目標設定やノルマ達成を強いる組織体質を改め、警察官自身の人権保障を図ること

(6)市民参加による警察から独立した監査システムを創設すること