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2008年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

マンションの契約−未成年でも既婚者なら可能 神戸新聞 2008年1月15日掲載

執筆者:森川 拓弁護士

Q:私は、18歳になったばかりですが、先日、結婚しました。
妻と住むためのマンションを借りようとしたのですが、不動産会社から、私が未成年なので、契約には両親の同意が必要だといわれました。
結婚しても、いちいち両親の同意をもらわなければいけないのでしょうか。

A:結論からいえば、ご両親の同意をもらう必要はありません。
法律上、結婚した場合は、未成年者であっても、成年に達したものとみなすとされているためです(成年擬制)。
 まず、法律では20歳未満を未成年者としています。
そして、未成年者は、契約などの法律行為をする場合、原則として法定代理人の同意をもらわなければならないとされています。
法定代理人とは、未成年者の場合、普通は親(親権者)ですが、親権者がいないときは後見人が選任されます。
なお、両親がいる場合は、両親双方の同意をもらう必要があります。
このように法定代理人の同意が必要とされているのは、未成年者の判断能力が十分でないことを考慮し、未成年者を保護しようとするものです。
したがって、不動産会社のいうことも、一般の未成年者について言えば間違ってはいません。
 ただ、前述のとおり、未成年者でも結婚した場合は、成年に達したものとみなすとされているため、あなたに関していえば、両親の同意は必要ありません。
これは、(1)結婚して独立の家庭を持つということは、それだけ精神的能力が成熟しているということだから成年と同一視できるということ、(2)結婚した場合は、成人同様にいろいろな契約をしなければならないのですが、いちいち両親の同意を
もらわなければならないのは、あまりにも煩わしく、また、憲法が定める「両性の合意のみに基づく婚姻」の独立性を確保できないためです。
 もっとも、成年とみなされるのは、上記の趣旨からであり、肉体的に成年となったわけではありませんので、たばこを吸ったり、酒を飲んだりということが認められるわけではありません。
また、選挙権をもつのは、法律上「年齢満20年以上の者」とされており、結婚しても選挙権がもらえるわけではありません。
 なお、この成年擬制の効果は、離婚した場合でも消滅することはないと理解されています。

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