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2008年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

相続させたくない−「廃除」の請求し権利奪う 神戸新聞 2008年2月5日掲載

執筆者:濱本 由弁護士

Q:今年40歳になる長男に関する相談です。
長男は成人してからも、仕事をすることなく、私に金をせびり、暴力を振るうような状況です。
このような長男に私の財産を相続させたくありません。長男以外の相続人に財産を相続させるという遺言を書いておけばいいのでしょうか。

A:あなたがそのような遺言書を作成すれば、基本的に長男は法定相続分の相続ができません。
しかし、遺留分(民法1028条)という制度があるため、長男に一切相続させたくないというのであれば、さらに別の手続きが必要になります。
遺留分とは、相続人の生活に配慮して、被相続人の遺言の内容にかかわらず、遺産のうち一定程度の財産の相続だけは認めようという相続人保護のための制度です。
 長男の遺留分率は2分の1ですから(1028条2号)、大まかにいうと、あなたの遺産からあなたの借金を引いた額に、この2分の1と長男の法定相続割合を掛け合わせたものが長男の遺留分となります。
遺言書があったとしても、長男が遺留分減殺請求をした場合には、
この額が長男に支払われてしまうことになります。
 遺留分の相続を防止するためには、家庭裁判所に対して長男を相続人からはずす手続き(「廃除」の請求)をとる必要があります(892条)。
廃除とは、遺留分を有する推定相続人が被相続人に対して虐待や侮辱をしたとき、または著しい非行があったときに、被相続人が家庭裁判所に請求することで、その推定相続人の相続権を奪ってしまう制度です。
廃除が認められた場合には、その推定相続人は、遺留分を含め一切の相続ができません。
 ただ、廃除が認められるためには、長男の言動が客観的に「虐待」や「著しい非行」にあたると判断される必要があります。
お聞きした内容がすでに「虐待」や「著しい非行」にあたると判断される可能性はありますが、普段から長男の言動をさらに詳しく記録しておくとよいでしょう。
 また、長男に廃除の請求をしたことがばれて暴行がエスカレートしては大変ですから、遺言によって廃除をすることもできます(893条)。
この場合は、遺言執行者が家庭裁判所に廃除の請求をすることになりますので、遺言書に遺言執行者を指定しておくとよいでしょう。

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