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2008年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

前夫の姓に戻したい−「やむを得ない事由」なら 神戸新聞 2008年2月19日掲載

執筆者:宮本 由季弁護士

Q:4カ月前、夫と離婚し、旧姓に戻りました。
旧姓に戻したのは、前夫の両親の意向を考慮したためですが、前夫と結婚以降、20年以上も前夫の姓を使っていたため、旧姓での生活に大きな不便があります。
いまから、前夫の姓に戻すことはできますか。

A:結婚して姓を変えた女性が、離婚した場合、その女性の姓は、旧姓に戻るのが原則です。
 しかし、結婚後長年使用してきた前夫の姓を旧姓に戻した場合、あなたがおっしゃるように、さまざまな不便を伴います。そのため、法は、離婚の日から3カ月以内に、本人の本籍地あるいは住居地の市町村に、結婚していた時の姓を名乗
りますという届けをすれば、結婚時に使用していた姓を使用することができるとしています。
ですから、あなたが離婚後3カ月以内にあなたの本籍地あるいは住居地の市町村に届け出れば、あなたは、前夫の姓を使用できたのです。
 ただ、あなたの場合は、離婚してから既に4カ月が経過しています。
ですから、この方法で、あなたの姓を結婚時の姓に戻すことはできません。
このような場合には、一般的な姓の変更方法に従うことになります。
 姓を変更するには、戸籍法上「やむを得ない事由」が必要です。
この「やむを得ない事由」とは、一般的には、漢字が常用漢字になく、読むことが困難であるとか、長年自分の本当の姓とは違う姓を使用し続けていて、戸籍上もその姓を使わなければ、混乱を招くような場合です。
長年とは、一般的には7年前後とされています。
そして、そのような事由があると家庭裁判所に認められ、許可されて初めて姓を変更することができます。
 ただ、あなたの場合は、戸籍上はいったん旧姓に戻ってはいるものの、20年以上の間、前夫の姓を使用していたという事情があります。
 同様に長期間、前夫の姓を使用していたケースで、「離婚後余り日時の経過しない時期にその氏を婚氏に戻すのであれば、混乱が生ずる可能性は少ないので、右のような場合には『やむを得ない事由』を一般の場合よりゆるやかに解して差し支えない」として、姓の変更を認めた裁判例があります。
婚氏とは、結婚していた当時の姓のことです。
 この裁判例に照らせば、あなたの場合も、今直ちに申請すれば許可される可能性が高いと思われます。

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