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2008年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

賃貸住宅の注意点−「原状回復」の範囲、確認を 神戸新聞 2008年4月15日掲載

執筆者:三木 麻鈴弁護士

Q:最近、賃貸住宅から退去する際、借主側でどこまで修復をするか紛争になるケースが多いと聞きました。
このたび、新たにマンションを借りるのですが、どのようなことに気をつけておけばよいですか。

A:賃借人が賃貸住宅から退去する際、賃借人は、賃貸住宅を元の状態に修繕(これを「原状回復」といいます)して、賃貸人に明け渡す義務があります。
通常、賃貸住宅から退去する際、原状回復にかかる費用は、賃借人が賃貸人に預けている敷金の中から差し引かれます。
そのため、退去時に賃貸人と賃借人の間で原状回復の範囲をめぐりトラブルになることがあるのです。
 判例上、賃借人が社会通念上において通常の使用をした場合に生じる物件の劣化や価値の減少(これを「通常損耗」といいます)は特約のない限り、賃貸人の負担とすることになっています(最高裁判例平成17年12月16日)。
 そこで、新たにマンションを借りる際は、賃貸借契約書で賃借人の原状回復義務の範囲がどのように定められているのか、通常損耗まで賃借人の負担とする特約がないかなどを契約前に確認しておきましょう。
 次に、退去時の損耗が賃借人によるものではなく、入居時から既に存在していたことを明らかにしておくために、賃借人は、入居時の室内の状況を写真撮影しておく必要があります。
傷痕(きずあと)、へこみ、クロスの汚損などがあれば、入居時に賃貸人に伝え、賃貸人・賃借人双方立会いで確認しておきましょう。
 最後に、原状回復でトラブルが多い壁や天井のクロスの汚損について説明します。
通常、クロスのクリーニングで除去できる程度の汚損であれば通常損耗に当たるので原状回復義務は発生しません(ただし、ハウスクリーニング費用を賃借人の負担とする特約がある場合を除きます)。
しかし、通常のクリーニングで除去しきれないようなたばこのヤニの付着等があると、クロスの張り替えまで必要となり、その張替費用を賃借人が負担しなければならないことがあります。
張替面積が大きいと費用も高額になるので、室内でたばこを吸われる方は十分注意して下さい。

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