くらしの法律相談

HOME > くらしの法律相談 > 2008年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談 > 賃貸アパートの雨漏り−修繕義務は原則家主さん
消費者問題判例検索
弁護士と司法書士の違い
弁護士の職務と行政書士の職務の違い
ヒマリオンの部屋
こんなときはこちら
アクセス連絡先はこちら

2008年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

賃貸アパートの雨漏り−修繕義務は原則家主さん 神戸新聞 2008年4月29日掲載

執筆者:吉田 憲弁護士

Q:現在住んでいる賃貸アパートは、雨漏りするような状態です。
家主さんに直すようお願いしていますが、なかなか直してくれません。
このような状況でも契約通り家賃を支払わなければならないのでしょうか。
また、自分で直した場合、その費用は家主さんに請求できますか。

A:ご相談内容の前提として、誰が賃貸アパートの雨漏りを修繕する義務を負うのかが問題となりますので、その点からお答えします。
 賃貸人は、賃借人に家屋などを適切に利用させる義務がありますので、原則として賃貸人が家屋などを修繕する義務があり、賃借人には修繕の義務はありません。
 ただし、賃貸人と賃借人の間で「賃借人が家屋などを修繕する」という約束をした場合、賃借人に修繕の義務が生じます。
実際にはほとんどの賃貸借契約書にこのような約束が記載されています。
しかし、賃借人が大きな出費を払ってまで家屋などを修繕しなければならないとすると、賃借人の不利益が大きすぎます。
そこで、事案にもよりますが、賃借人が修繕するという約束があっても、賃借人は屋根の修理など大きな修繕までする義務は負わないと考えるべきであり、判例も賃借人の修繕義務を狭くする傾向にあります。
そうすると、賃貸アパートの雨漏りを防ぐため、屋根の修理など大きな修繕があってもなくても、相談者は屋根の修繕義務を負わない可能性が高いといえます。
従って、屋根の修繕義務を負う家主さんに対し、相談者は、賃料の支払いを拒んだり、賃料の減額を請求できたりします。
また、相談者自らが修繕した場合、修繕費用を請求できますし、賃料と相殺することもできます。
なお、実際の事例では、賃料額などのいろいろな事情を考慮する必要があり、事例ごとに判断が異なることもありますので、お困りの際は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。

掲載年一覧

ページのトップへ
兵庫県弁護士会