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2008年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

離婚した夫が破産−免責でも養育費は請求可能 神戸新聞 2008年8月19日掲載

執筆者:森川 拓弁護士

Q:1年前に夫と離婚しました。その際、財産分与として100万円、子供の養育費として月5万円を支払われるよう約束をしました。
けれども、夫は一度も支払わないまま、破産してしまいました。
私は、前夫に何も請求できなくなるのでしょうか。

A:結論からいえば、財産分与としての100万円については、請求できなくなる可能性が高いといえます。
ただ養育費については、請求することが可能です。
 離婚時に、財産分与、養育費についてきちんと取り決めれば、当事者間の合意であっても法的に有効であり、あなたには前夫に請求する権利があります。
他方で、多額の借財などにより支払い困難になった方のために、破産手続きというものがあります。
この破産手続きの中で、裁判所から免責の決定をしてもらえれば、借財などの支払いを免れるとされていることから、あなたの持つ権利と衝突することになるのです。
 そこで、まず前夫が免責の決定をしてもらえなければ、あなたは今まで通り請求することができます。
もっとも前夫が破産に至った事情にもよりますが、一般に免責の決定をもらえることの方が多いといえます。
そこで以下は、免責の決定をもらえることを前提にお話しします。
 免責決定をもらった場合、破産するまでに生じた借財などの債務について原則として
責任を免れることになります。
したがって、財産分与としての100万円については、前夫は責任を免れることになります。
ただ、法律上、免責決定によっても免責されない権利というものがあります。
これまでの法律では、養育費についても、破産前に発生している部分については、免責決定により免責されていました。
しかし、養育費については、その性質上保護の必要性が高いと考えられたため、平成17年に改正された破産法で、養育費については責任を免れないとされたのです。
したがって、養育費については、免責決定の有無にかかわらず、請求することが可能です。
 なお、前夫に一定の資産がある場合には、財産分与、養育費いずれに関しても破産手続き内で一定の配当の対象となることがあります。
このような場合、債権届け出など、法律で定められた手続きを行うことが必要です。

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