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2008年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

事故車の弁償−重大な損傷なければ無理 神戸新聞 2008年9月2日掲載

執筆者:大原 雅之弁護士

Q:新車の購入3日目に追突事故に遭いました。
修理はバンパーを交換する程度済みそうですが、この車にはもう乗りたくありません。
加害者に対し、新車と交換するよう請求することはできるでしょうか。

A:お気持ちはよくわかりますが、残念ながら、加害者に新車と交換するよう請求することはできないでしょう。
 交通事故では、被害者に発生した損害のうち、事故と相当因果関係のある損害については、加害者に対し損害賠償請求することができます。
そして、交通事故が原因で被害者が自動車を買い替えたときには、事例によっては、買い替え費用として事故車の事故当時の時価額と事故後の時価額の差額を加害者に請求できる場合があります。
 しかし、買い替え費用が認められるのは、判例で「物理的または経済的全損、車体の本質的構造部分が客観的に重大な損傷を受けて買い替えをすることが社会通念上相当と認められる場合」であるとされています。
今回の場合は、バンパーを交換する程度で修理は可能とのことですから、物理的または経済的全損ではないですし、車体の本質的構造部分が客観的に重大な損傷を受けているとまで言うことは難しいでしょう。
 また、物損に関連する慰謝料については原則として認められていません。
 したがって、加害者に対し新車と交換するよう請求することはできませんし、あなたが事故車に乗りたくないとして自分で新車に買い替えたとしても、買い替え費用を加害者に請求することはできないと思われます。
 交通事故で得をする人は誰一人としておらず、感情的な面も含めれば損害賠償がなされたとしても被害が完全に回復するわけではないのが現状です。
 交通事故の被害者および加害者にならないように、日頃から注意をしておくしかないと思います。

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