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2008年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

大家からの立ち退き要求−双方の事情を比較し決定 神戸新聞 2008年10月21日掲載

執筆者:白川 聡子弁護士

Q:住んでいるアパートの大家さんから「アパートを取り壊してマンションを建てるため、来年の契約更新時に明け渡して欲しい」と告げられました。
引っ越しするにもお金に余裕がなく困っています。大家さんに何も言えないのでしょうか。

A:結論から申しますと、大家さんに何も言えずに、明け渡さなければならないということはありません。また、事情によっては明け渡さなくてよいということもあり得ます。
 大家さんとあなたとの関係は、借地借家法という法律で規定されています。
ご相談のような、大家さんからの契約更新の拒絶については、借地借家法第28条に規定があり、「正当事由があると認められる場合」でなければ、大家さんからの契約更新の拒絶はできないとされています。
 この「正当事由」については、大家さんとあなたのそれぞれの事情を比較して判断することとされており、大家さんの事情だけで決められるものではありません。
どのような事情を比較するかというと、(1)大家さんが建物を使用する必要性(2)あなたが建物を使用する必要性(3)あなたの資産状況(4)これまでの経緯(5)建物の改築・修繕・新築の必要性(6)建物の有効利用(例えば古い建物を取り壊し、高層建物へ建て替えるなど)の必要性などが挙げられます。
 加えて、大家さんから立ち退き料を支払うとの申し出があった場合、「正当事由」があるということの一つの事情として考慮されます。
立ち退き料の提供はあくまで一つの事情ですので、場合によっては提供がなくとも、「正当事由」があるとして大家さんからの明け渡しが認められることもあります。
 あなたが建物を使用する必要性が高い場合であっても、大家さんが立ち退き料を支払うことで明け渡しが認められることもあります。
立ち退き料の金額は事情によって異なり、一定の金額が決められているわけではありません。
 冒頭でも書きましたが、あなたは、何も言えないわけではなく、大家さんに対し(1)あなたがアパートを使用する必要性があること(2)引っ越しをする経済的余裕がないこと−などを主張することができます。
 大家さんからも、アパートを取り壊してマンションを建てる必要性などをきちんと説明してもらいましょう。

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