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2008年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

突然の解雇−有効性判断に四つの要素 神戸新聞 2008年12月2日掲載

執筆者:稲田 優弁護士

Q:勤務先の会社で、経営不振を理由に解雇を告げられました。
解雇の前に社内の合理化などやるべきことはあると思うのですが、従わねばならないのでしょうか。

A:今回のあなたのケースのように、会社の経営不振を理由に、人員削減のために行われる解雇のことを「整理解雇」と呼びますが、たとえ経営不振であっても、会社が一方的に従業員の生活の糧を奪うことは許されません。
 多くの裁判例の積み重ねの中で、この「整理解雇」が有効と認められるためには、
(1)人員削減の必要性(2)解雇回避努力義務(3)被解雇者選定の妥当性(4)手続の妥当性−の4つ要素について、会社側が十分に満たしていることが必要であるとされています。
 (1)として、会社が人員削減措置をとることが、企業経営上の十分な必要性に基づいていること、またはやむを得ない措置であると認められなければなりません。
 (2)として、会社は、解雇回避努力義務つまり、配転、出向、一時帰休、希望退職の募集などの他の手段を講じて解雇を回避する努力を尽くしていなければなりません。
 (3)として、会社が解雇の対象とする人を選定する際、勤務成績、会社への貢献度、経済的打撃の低さ、雇用形態などをもとに客観的に合理的な選定基準を設定し、これを公正に適用しなければなりません。
 (4)として、会社は解雇一般または人員整理について、労働組合との協議、労働組合からの同意を義務づけるような労働協約がある場合には、それに従わなければなりません。
そのような労働協約がない場合でも、会社は、労働組合または労働者に、整理解雇の必要性、整理の方針、整理解雇の基準、解雇・退職条件などについて、納得を得るための説明をして、誠意をもって協議しなければなりません。
今回のあなたの「整理解雇」についても、こうした要素が満たされているかによって、その有効性が判断されることになります。

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