くらしの法律相談

HOME > くらしの法律相談 > 2009年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談 > 知人に貸したお金−時効の中断があり請求可能
消費者問題判例検索
弁護士と司法書士の違い
弁護士の職務と行政書士の職務の違い
ヒマリオンの部屋
こんなときはこちら
アクセス連絡先はこちら

2009年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

知人に貸したお金−時効の中断があり請求可能 神戸新聞 2009年2月17日掲載

執筆者:中島 健治弁護士

Q:知人に金を貸したが、ここ10年間返済されなかった。
催促すると「来月末に支払います」などの手紙があるが、支払われず、先日「最後に返済してから10年以上たったので時効だ」と告げられた。請求できるのか。

A:一般に、債権は行使することに法律上の障害がなくなったときから10年が経過すると時効により消滅します(消滅時効)。
ここでいう「法律上の障害」とは、支払期限に到達していないため請求できないなど、法律上権利を行使できない状態を指します。
 貸金も債権ですから、10年経過すれば時効により消滅します。ただし、時効には中断という制度があります。
 時効成立までの間、債権者が訴訟を起こすなどの請求をしたり、債務者自身が債務の存在を認めたりした場合、その時点で時効期間は中断し、そこからあらためて10年が経過しない限り時効は成立しません。
 例えば時効の起算点から9年6ヵ月が経過した時点で債務者が債務の存在を認める行為をした場合、そこからあらためて10年経過しない限り時効は成立しません(前の9年6ヵ月を含めて10年ではありません)。
本事例では特に返済期限の定めはなされていないようですから、法律上はお金を貸したときからいつでも相当期間を定めて催告して返済を求めることができます。
 したがって、貸し付け後、相当期間が経過した時点から時効期間が進行します。
そして、債務者の返済は債務の存在を認める行為といえますから、返済により時効が中断し、そこからあらためて10年の時効期間が進行することになります。
 相手方は最後の返済から10年経過していることをもって時効による債務の消滅を主張しているようです。
しかし、相手方は最後の返済後も催促のたびに来月末に支払いますなどの手紙を送ってきています。
これも債務の存在を認めた行為と言えます。
 その手紙によっても時効は中断しますから、そこから更に10年が経過していない限り時効は成立しませんので、貸したお金を返済するよう請求できます。

掲載年一覧

ページのトップへ
兵庫県弁護士会