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2009年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

内定取り消し−和解金の支払いで解決多い 神戸新聞 2009年6月2日掲載

執筆者:坂本 幸子弁護士

Q:企業から内定を得ていましたが、不況を理由に、内定が取り消されてしまいました。
そのため、大学を留年し、再度就職活動をしています。
 内定を取り消した企業に対し、何か請求できるのでしょうか。

A:採用内定者の取り消しを考える場合、まず、採用内定者と会社の間に労働契約が成立しているかが
問題になります。
 会社ごとに採用内定事情が違いますので、労働契約の成立時期は、個々の事情を見て判断されることに
なります。
 一般的には、学生の申込に対して会社が内定通知を出すと、学生が提出する内定承諾書や誓約書と相まって、採用内定者と会社の間に、卒業できない場合などに解約権を留保した労働契約(始期付解約権留保付労働契約)が成立すると判断される場合が多いようです。
始期付というのは、初出社日を就労の始期とするという意味です。
 このような関係にある場合、卒業までの在学期間であっても、採用内定者は、法律上、労働者として
扱われます。
内定取消は解雇と同様に考えられますので、会社は、採用内定者との合意や正当な理由がない限り、
内定を取り消すことはできません。
 相談者は、不況を理由として採用内定を取り消されています。
これが正当な理由があるといえるかどうかですが、会社が経営努力を尽くしたのでなければ、正当な理由にはならないと考えられます。
 そこで、相談者は採用内定取消が無効であることを主張して、会社で働けるよう交渉したり、出社予定日から支払われる予定だった賃金相当額や慰謝料等の損害賠償の支払いを求めて交渉したりすることが考えられます。
 しかし、会社で働くことを求め、それが認められても、入社後周囲とうまくやっていけるのか不安が残ります。
そのため会社が採用内定者に和解金を支払うことで、採用内定取り消し問題を解決することが多いのが
実情です。
 当事者の話し合いでは解決が難しい場合、労働局のあっせん手続や、弁護士会のあっせん手続き、裁判所の労働審判手続きを利用して、第三者を交えて話し合い、解決する方法もあります。
一度、労働局が設置している相談センター、弁護士会、法テラスなどの各種相談窓口で相談することを
お勧めします。

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