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2009年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

無料で貸した土地−借り主に明け渡し請求可能 神戸新聞 2009年7月7日掲載

執筆者:近藤 加奈子弁護士

Q:お隣の住人に「近くの駐車場があくまでしばらくの間」という契約で、私の土地を駐車場の代わりに無料で貸しましたが、2年たち明け渡しを求めたところ「近くの駐車場にあきがない」として応じません。
法的な請求はできるのでしょうか。

A:相談者の所有している土地を無料で貸している本件は、自分の所有物を無償で人に貸す「使用貸借」と呼ばれる契約です。
 明渡しが問題となっていますので、まず、使用貸借の貸主が明け渡し請求可能な場合を簡単に説明します。
第一に、契約で目的物の返還時期を定めていた場合、その期間が満了したときに返還を請求することができます(民法597条1項)。
次に、返還時期を定めなかった場合、契約で目的物の使用目的を定めていた場合にはその目的に従った使用が終わったときに、目的に従った使用が終わっていない場合でも十分な期間が経過していれば返還請求できます(民法597条2項)。
返還時期も使用目的も定めなかった場合には、貸主はいつでも返還を請求することができます
(民法597条3項)。
 本件では契約時に「近くの駐車場が空くまでしばらくの間」ということで貸しています。
「しばらくの間」では期間として不明確ですので期間の定めがあったというのは難しいでしょう。
使用目的については「駐車場が空くまで」とのことですから、駐車場を探す間の置き場所とする目的と
解されます。
本件で借り主が駐車場を確保できたか否かはさておき、駐車場を探す期間としては2年間は十分な
期間といえます。
 従って、本件の相談者は借り主に対して明け渡しを請求できると考えられます。
なお、同じように人に物を貸す契約でも賃料の支払いを伴う場合、賃貸借として本件のような使用貸借とは
区別され、契約期間や終了原因につき異なる扱いがされますので、注意が必要です。

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