くらしの法律相談

HOME > くらしの法律相談 > 2009年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談 > 養育費払わぬ前夫−まずは「履行勧告」手続きを
消費者問題判例検索
弁護士と司法書士の違い
弁護士の職務と行政書士の職務の違い
ヒマリオンの部屋
こんなときはこちら
アクセス連絡先はこちら

2009年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

養育費払わぬ前夫−まずは「履行勧告」手続きを 神戸新聞 2009年8月18日掲載

執筆者:小川 政希弁護士

Q:3年前に夫と調停離婚しました。
その際、私が育てる子の養育費を月3万円と決めましたが、最近支払いが滞っている。どうすればいいのか。

A:解決策は3つあります。
(1)調査官から前夫に連絡してもらう(2)前夫に心理的圧迫をかける(3)預金や給料等を差し押さえる−という3つの方法です。
 まず(1)は「履行勧告」と呼ばれる簡易な手続きです。費用は無料です。
調停をした家庭裁判所で申立用紙をもらい必要事項を記入します。
裁判所の調査官が前夫に対し、支払いを促す連絡をしてくれます。
強制力はありませんが、神戸家庭裁判所での意見交換会(平成17年)によれば、およそ半数以上の支払い義務者が支払うようになったとのことです。
 履行勧告でも支払わなければ、(2)の方法(間接強制)があります。
「○日以内に○万円を支払え。支払わない場合には1日につき○円支払え」との決定を裁判所に求めるものです。
支払われない限り一定期間制裁金が加算されるという心理的圧迫を与え、自発的な支払を促します。
過去の不払い分はもちろん、6カ月以内に期限が来る養育費も含めて申し立てることが出来ます。
相談者のケースでは、例えば前夫が平成21月6月分から8月分の養育費の支払いを怠っているとすると、3万円×3カ月分=9万円と、平成21年9月から平成22年2月までの養育費の支払い命令(支払いは各月)と、上記各金額それぞれを支払わなかった場合の制裁金を定めてもらえます。
 (3)の方法もあります。給与債権については、給与から税金や社会保険料を控除した後の2分の1の金額まで差し押さえることが出来ます。
過去の不払い分はもちろん、これから支払い時期が来る月の養育費も差し押さえられます。
ただし、給与債権を差し押さえると、前夫が失職して差し押さえるべき給与が無くなる場合もあります。
 結論として、相談者のケースでは、まず(1)の履行勧告を試み、それでも支払われなければ、(2)か(3)の方法によるのが良いでしょう。

掲載年一覧

ページのトップへ
兵庫県弁護士会