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2009年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

助手席で交通事故−運転の夫の過失が考慮される 神戸新聞 2009年9月15日掲載

執筆者:圓井 花織弁護士

Q:夫の運転する車の助手席で交通事故にあいました。
相手は「夫にも過失がある」という理由で、私の損害も夫の過失を考慮した割合でしか支払わないといいます。
私自身は運転していないのに、支払額を減らされるのでしょうか。

A:質問者は相手の過失で負傷したので、相手方に対し損害賠償請求することができます。
質問者自身に何らかの過失がある場合、その過失割合を考慮した額を支払えばよいことになります(これを過失相殺といい、両者の公平性を保つために認められています)。
 ここで問題となるのは、質問者は何らの過失もなくとも運転していた夫には過失があるときには、加害者である相手方に過失相殺が適用され、質問者への支払額が減額されるのかということです。
結論としては、加害者は、質問者に対して運転していた夫の過失割合を考慮した割合で支払えば
よいことになります。
 質問者である妻自身は運転をしていないことからこの結論に疑問を感じるかもしれません。
しかし、本件の事故の責任は夫にもあるわけですから、質問者である妻の損害については相手方と夫が各自の過失割合に応じて賠償責任を負うことになります。
仮に、妻に対する賠償額に夫の過失割合を考慮せずに全額賠償が認められたとしても、全額賠償した相手は、夫に夫自身の過失に応じた負担部分を自らに支払うよう請求できる(これを求償といいます)わけです。
 このように、損害全額を支払ってもらったとしても、夫が相手方の求償請求に応じなければいけないのであれば、始めから夫の過失割合に応じた負担部分を差し引いた額を支払われる方がよいということになるのです。
 つまり、最終的に夫の支払うべき賠償金が夫婦共通の財布から出ていくのであれば、夫の出費=家庭の出費=妻の出費となると考えてもよいので、妻自身に支払うべき賠償額から夫の過失割合に応じた負担部分があらかじめ差引かれるのです。
反対に、夫婦関係が破綻していて夫の出費=妻の出費とみなすことができない場合には、質問者は相手方より全額賠償を受けることが可能となります。

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