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2010年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

借りた部屋で殺人−重要事項には告知義務 神戸新聞 2010年2月2日掲載

執筆者:増田 祐一弁護士

Q:先月入居した賃貸マンションが、半年前に殺人事件の現場だったことが分かりました。
大家側から説明がなかったことを理由に、賃貸契約の解除は出来ますか。
また損害賠償を求めることはできますか。

A:賃貸借契約の解除には、家主に何らかの義務違反がなければなりません。
今回の事例は殺人事件があったことを告知する義務が家主にあったかどうかがポイントです。
 借りる側としては、前の借主のことを含め、家主にいろいろ聞きたいものですが、
すべてを伝えることはできません。
 一般的に家主は借り主の心理的影響で重要と思われる事柄については告知しなければなりませんが、重要でない事項は告知義務を負わないとされています。
重要か否かについては、賃貸の目的、物件の所在地、告知すべきとされる事柄の性質・時期などさまざまな事情を踏まえ判断されます。
 本件は、居住目的での賃貸マンションで、半年前というそう遠くない時期、殺人という衝撃的な事件があったということなので、重要な事項として、殺人の件を家主は借り主に告知すべき義務があったといえ、相談者は契約を解除できそうです。
内容証明郵便等などで解除の意思を明確にしておいてください。
 相談者が賃貸借契約を解除できる場合、家主に損害賠償を求めることは可能です。
この件がなければ支払わずに済んだ費用として、敷金、礼金、仲介手数料、引越費用などが相当範囲で
請求できます。
 仲介業者への損害賠償請求については、業者事件を知っていれば可能でしょう。
知らなかった場合、業者が殺人の件を調査すべき義務があったかどうかがポイントとなりますが、今回の相談内容だけでは判断は難いように思います。

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