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2010年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

内縁の夫の財産相続−基本は「配偶者」だが、例外も 神戸新聞 2010年5月18日掲載

執筆者:今西 雄介弁護士

Q:20年間内縁関係にあった男性が、先日亡くなりました。
遺言をしていませんが、遺産を受け取れないのでしょうか。
男性名義の家屋に住んでいましたが、死後、男性の前妻の子どもから、明け渡しを請求されています。

A:内縁とは、社会からは夫婦と認められる状況ながら、法律上の手続つまり婚姻の届出をしないために、
法律上は夫婦と認められないものをいいます。
 内縁の成立には、年齢や父母の同意などの要件は特に必要ありません。
もっとも、当事者の合意に基づき事実上夫婦としての共同生活が存在していることが必要となりますので、
同居していれば内縁が成立するわけではない点に注意が必要です。
 内縁は一種の準婚関係とみなされ、できるだけ法律上の夫婦に準じた取り扱いがなされています。
例えば、内縁を不当に破棄されたときには、相手方に対し慰謝料などの損害賠償請求が認められる
場合があります。
また、内縁関係の解消にあたっては、法律上の夫婦と同様に、財産分与請求が認められることもあります。
 もっとも、相続については、民法890条が「配偶者」と規定し、これには内縁は含まないと解されていることから、
内縁の夫または妻は相続人となることが出来ません。
そして、他の相続人がいない場合に限り、家庭裁判所に相続財産の分与請求の申立ができる
特別縁故者という制度も利用できず、遺言もない今回の場合は、相続財産を受け取ることは
出来ないということになります。
 内縁関係にあったこの女性が相続人となることが出来ないとなると、男性名義の不動産も
明け渡さなくてはならないとも思われます。
 一方で、相続人側にこの建物を使用しなければならない差し迫った必要がなく、内縁関係にあった側が、
明け渡すと家計上相当な打撃を受けるおそれがあるなどの事実関係があるならば、このような明渡請求は
権利の濫用にあたり許されない、とした最高裁判例があります。
 この方の場合、事情にもよりますが、不動産の明け渡し請求については、明け渡さなくて済む場合も
十分考えられます。

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