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2010年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

生命保険の受取人変更−不倫継続が目的なら無効− 神戸新聞 2010年8月3日掲載

執筆者:佐藤 進一弁護士

Q:先日亡くなった夫が、生命保険の死亡保険金の受取人を、私から不倫相手の女性に変更していたことを最近知りました。私には何の権利もないのでしょうか。

A:この事例のような「保険金受取人の変更事案」について、直接触れた裁判例は見あたりませんが、
不倫相手を契約当初時から保険金受取人とした生命保険契約についての
裁判例(東京地裁平成8年7月30日及び東京高裁平成11年9月21日など)が検討する上で参考になります。
 この裁判例などから、夫が不倫相手を保険金受取人として締結した生命保険契約は、
不倫関係の維持継続が目的で、不倫相手の生活の保障を目的として行われたものでない場合、
受取人の指定は民法90条の公序良俗に反して無効となります。
 相談の事例のように、死亡保険金の受取人を不倫相手に変更していた場合、この裁判例の考え方が
反映されるでしょうか。
 仮に、反映されないとすれば、当初は妻を保険金受取人とする生命保険契約を成立させ、後日不倫相手に
変更するという方法が許されてしまいます。これでは、実質的には不倫相手を受取人とする契約が
認められることになってしまい、上記裁判例が無意味なものになってしまいます。
 従って、受取人を途中で不倫相手に変更する場合も、その変更の目的が「不倫関係の維持継続にあり」
「不倫相手の生活の保障を目的として行われたものではない」場合であれば、その変更が無効になり、
当初の受取人である妻に保険金の請求権が帰属すると考えられるでしょう。
 ただし、形式的に不倫関係にあったとしても、法律上の配偶者との間で実質的な夫婦関係が
ないような場合などでは、不倫相手を受取人とする変更も公序良俗に反しない可能性もあります。
 詳しいことは弁護士などに相談することをお勧めします。

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