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2010年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

前妻が子どもの面倒を見ない−子の福祉や利益を優先して 神戸新聞 2010年10月5日掲載

執筆者:中島 崇行弁護士

Q:妻と離婚する際、妻が子どもの親権者となり、今後親権者の変更を求めないと書面で約束しました。
しかし別れた妻は子どもの面倒をきちんと見ていないようです。
親権者の変更を求めたいが、約束を取り消せますか。

A:結論から申しますと、約束を取り消すことは可能です。
 厳密には、「親権者を変更しないという契約(約束)」は、公序良俗(民法90条)に反し、無効ですので、
約束にしばられずに親権者の変更を求めることができます。
 親権者は、判断能力が十分でない未成年の子どもの代わりに、未成年の子どもの代理人として意思決定を
したり、未成年の財産管理をしたりする者であって、子ども自身の福祉や利益保護に主眼が置かれています。
 このような親権者の地位を、子ども自身にいかに不利益が及んでいようと変更できないとしてしまうと、
子供の権利が大きく害されてしまうので、「親権者を変更しないという契約」は、公の秩序に反し、
無効とされるのです。
 ただ、離婚の際に決定した親権者を変更するには、家庭裁判所の許可が必要ですので、注意して下さい。
 親権者は、未成年の子どもに代わって財産管理や意思決定をするので、重大な決定権を有する親権者が
簡単に変更されてしまうと、これもまた子供の利益が害されてしまいます。
 そのため、家庭裁判所は親権者を変更した方が子どもにとってよいかどうかをチェックし、子どもにとって
利益と判断した場合に限って、変更を認めているのです。
 前妻が子どもを虐待したり、育児放棄をしたりしていて、子どもの生命や身体に危険が及んでいる場合には、
離婚時の約束など気にせずに、子どものために、家庭裁判所に親権者の変更を求めていくべきですが、
あなたと前妻、どちらと暮らすのが子どもにとってよいのかを考え、大人の都合だけで子どもを
振り回さないようにしましょう。

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