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2010年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

定款で譲渡制限の株式−会社が買い取るか、第三者指定 神戸新聞 2010年10月19日掲載

執筆者:藤井 浩太弁護士

Q:亡くなった父から、父の知人が代表である会社の株式を相続しました。
その会社で働く叔父に株式の買い取りを求めたところ「買い取りには会社の承諾が必要で、承諾が得られない」と説明を受けました。
株式は売却できないのでしょうか。

A:そもそも、株式の譲渡(他人に買い取ってもらうこと)になぜ会社の承諾が必要なのでしょうか。
これは、会社の定款(会社の根本的な規則)に「株式の譲渡には会社の承諾が必要である」と
規定されているからです。
 株式は、自由に譲渡できるのが原則です。これは、株主が投下資本を回収する手段を確保するためです。
 一方、株式を自由に譲渡できることは、会社から見れば、誰が株主になるか分からないということでもあります。
特に小規模な会社にとっては、見知らぬ人が株主になることで、会社の経営に支障を来すこともあるでしょう。
 そこで、会社法は、会社の定款で株式譲渡を制限することを認めているのです。
 ですので、まず会社の定款に株式の譲渡を制限する規定が設けてあるかどうか、確認してください。
 それでは、定款にそうした規定があり、承諾されない場合、株式譲渡は不可能なのでしょうか。
 答えはノーです。
株式の譲渡を会社が認めない場合にも、投じた資本を回収するという株主の期待が無視されることは
妥当でありません。
 会社法は、譲渡が制限されている株式について、会社が譲渡を承認しない場合、会社が譲渡しようとする人の
請求に応じ自ら買い取るか、買い取ってくれる第三者を指定するか、いずれかを行わなければならない、と
定めています。
 ですから、相談者は、会社に「譲渡を承認しないなら会社が自ら買い取るか、買い取ってくれる第三者を
指定してほしい」と請求することができます。
ただし、この手続は煩雑ですので、専門家に相談することをおすすめします。

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