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2010年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

貸したお金10年過ぎると−権利行使しなければ消滅 神戸新聞 2010年11月2日掲載

執筆者:福田 大祐弁護士

Q:金を貸すと10年で時効になり返してもらえなくなると聞きました。
貸した時から10年で返してもらえなくなるのでしょうか。
また、全ての権利は10年で無くなってしまうのでしょうか。

A:民法には、一定期間権利を行使しない場合、その権利を消滅させる制度があります。
これを消滅時効と言います。この制度の背景には、「権利の上に眠る者を保護しない」という考え方が
あるとされています。
 すべての権利がこの消滅時効によって10年で無くなるわけではありません。
まず、消滅時効にかかる権利は「債権」と「所有権以外の財産権」で、所有権は何年経っても
消滅時効にかかりません。
また、消滅時効期間は、債権の場合は10年ですが、所有権以外の財産権の場合は20年です。
ただし、法律によりこれより短い消滅時効期間が定められている権利も多数あるので注意が必要です。
 今回の場合は、お金を貸した貸金債権ですから、商売上の貸し付けでなければ消滅時効期間は10年です。
もっとも、10年の起算点は貸した時ではありません。
消滅時効の起算点は、権利を行使することができる時とされています。
あなたが返済期限を定めて貸したのであれば、その日までは返せと言えませんから、返済期限が起算点となり、
そこから10年経過したときに貸金債権が消滅することになります。
 返済期限を定めずに貸したのであれば、貸付後、相当期間が経過した時が起算点となるというのが判例です。
 消滅時効期間の経過による権利消滅を防ぐ手段があります。
「権利の上に眠る者を保護しない」のが消滅時効制度の趣旨ですから、積極的に行使する者の権利は
保護されます。これが消滅時効の中断で、中断事由は民法に定められています。
 消滅時効期間が経過するまでに、例えば貸金の返還を求めて裁判に訴えたり、借り主から一部でも弁済を
受けたりすれば、その時点で消滅時効が中断します。ただ、一度中断すれば二度と消滅しなくなるわけではなく、
中断事由が終了した時からあらためて10年の消滅時効期間を起算することになります。

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