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2011年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

遺言で兄が相続 負債の半分払うべき?−払った後で兄に返還請求可能 神戸新聞 2011年2月1日掲載

執筆者:丸茂 英雄弁護士

Q:兄との2人兄弟で、父は「財産も負債も兄に全て相続させる」という遺言を残して亡くなりました。
兄は「負債の半分は法律上、弟が払うべきだ」と主張しています。母は既に亡くなっています。

A:今回のように、「財産も負債も兄に全て相続させる」という遺言によって、相続分全てがお兄さんに
指定された場合の効力については、相続人間の問題と、債権者との間の問題を区別して考える必要があります。
 まず、遺言の文言の解釈としては、原則として、お兄さんに負債も全て相続させるとの意思が表示されたものと
解すべきでしょう。
これによって、相続人間においては、お兄さんが負債をすべて承継することになります。
 もっとも、この負債についての相続分の指定は、債権者が関与しないままなされたものですから、債権者には
その効力が及びません。遺言者が勝手に「負債は長男だけに請求してくれ」と債権者に強いることはできません。
従って、各相続人は債権者から法定相続分に従った支払いを求められた場合、応じなければなりません。
 つまり、相談者はお兄さんとの間では「負債はそちらが全て払って下さい」と主張できますが、債権者が
負債の全部をお兄さんに請求するのではなく、相談者に対して「負債の半分はあなたが払って下さい」と
請求した場合には払わなければならないことになります。
 しかし、先ほど述べたように、相続人間ではお兄さんが負債を全て承継しているわけですから、相談者が
債権者の請求に応じて負債の半分を支払った場合、相談者はお兄さんに「代わりに負債の半分を債権者に
払ったのだから、払った分を返して下さい」と請求することができます。
 なお、残された財産よりも負債の方が多い場合、あなたは相続放棄をすることも考えられます。
相続放棄の申述は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内にしなければなりません。

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