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2011年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

震災理由に解雇通告−4要素で整理解雇の合理性判断 神戸新聞 2011年5月3日掲載

執筆者:芦原 健弁護士

Q:東日本大震災で会社の経営状態が悪化したことを理由に解雇されてしまった。やむを得ないのか。

A:ケースによりますが、解雇が無効の場合もあります。
 震災による経営状態悪化を理由とする解雇は、使用者(本問では会社のことです)による人員削減であり、
整理解雇といわれています。
 労働契約法は、客観的合理性・相当性を欠く解雇は無効としています。そして、整理解雇の合理性・相当性は、
(1)人員削減の必要性
(2)解雇回避努力
(3)選定方法の合理性
(4)労働者や労働組合への十分な説明や協議−といった点から判断されます。
 最近の裁判例では、これら4つの要素を総合的に考慮し解雇の有効性を判断する事例が増えています。
これら4要素のうち1つでも否定されれば、直ちに解雇が無効になるわけではありません。
 今回の相談では、本当に震災で経営状態が悪化し、希望退職の募集などでは人員を削減できず解雇に
至ったのであれば、残念ながら解雇はやむを得ないでしょう。
 しかし、会社が多数の新規採用をしたり、高率の株式配当を実施したりするなど、明らかに人員削減と矛盾した
行為があった場合や、希望退職者の募集や配転、出向などの解雇回避措置を取らず、対象者の基準を
示すことなくいきなり相談者を解雇した場合は、震災を口実にした便乗解雇である可能性があります。
そうであれば、4要素に照らし、解雇は無効とされるでしょう。
 こうした法規制は、期間の定めのない労働契約(正社員の多くがこの種の労働契約です)についてのものです。
これに対し、期間に定めがある労働契約で、期間満了前に解雇された場合、解雇の有効性について正社員の
場合よりも厳しく判断されることになります。
 解雇が無効になった場合は、相談者は労働者の地位を有していることになりますから、会社に従来どおりの
賃金を請求することができます。

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