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2012年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

無断駐車で10万円請求−所有者に生じた損害を賠償 神戸新聞 2012年3月20日掲載

執筆者:小田 祐資弁護士

Q:契約していない月決め駐車場に5分ほど無断駐車した。その時は気づかなかったが、駐車場の壁に「無断駐車には10万円払ってもらう」といった張り紙があり、駐車場の所有者から10万円支払うよう請求されています。

A:結論から述べます。あなたは、10万円を支払うのではなく、無断駐車によって駐車場の所有者に生じた損害を賠償しなければなりません。
 相談にある「無断駐車には10万円を支払ってもらう」との壁紙の記載は、一般的に損害賠償請求額を予告したものと思われます。
 しかし、損害賠償請求するには、原則として当事者間に何らかの契約が成立しているか、権利侵害行為により損害が生じている必要があります。
 契約の成立について考えてみます。契約が成立するためには、契約当事者の意思表示の合致が必要ですが、月決め駐車場に無断駐車した際に意思表示の合致があったと認められることはまれでしょう。例えば、本件の壁紙のような記載を、「○万円支払って、駐車しますか」という駐車場管理者の意思表示であると考えたとしても、駐車した側がこのような契約申し込みを承諾して駐車したとは考えにくいです。
 相談者は、壁紙の記載に気付かなかったわけですから、駐車場の所有者が「壁紙があったのだから契約は成立している」と10万円を請求することは困難であると思われます。
 権利侵害行為による損害はどうでしょうか。無断で他人の管理する土地を利用したのですから、故意に他人の権利を侵害したといえ、法的には壁紙で予告された金額ではなく、あなたの無断駐車によって実際に生じた損害について責任を負うことになります。
 通常であれば、5分程度の駐車時間で10万円もの損害が生じる可能性は低いと思われますが、損害額がどの程度になるかは予想できませんし、場合によっては、金銭以外に刑事責任を問われる可能性もありますので、無断駐車は避けてください。

 

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