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2012年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

新しい家主が賃料増額提示−理由が納得出来なければ相談 神戸新聞 2012年4月17日掲載

執筆者:衣笠 謙三弁護士

Q:住んでいるマンションの大家さんがマンションを売却したようで、新しい大家さんから「契約書を作り直したい」と連絡がありました。新しい契約書を見ると少し賃料が上がっています。応じなければならないですか。

A:借地借家法などによると、建物の賃貸借において、建物の所有者に変更があった場合、基本的に建物の旧所有者と賃借人との間に存在した賃貸借関係が新所有者と賃借人との間に移転するとされています。したがって、質問のように、マンションが売却されて所有者が変われば、新所有者とあなたとの間には、賃料を含め、従前と同じ内容の賃貸借契約が成立します。
 さて、ご質問では、新所有者(新しい大家さん)は、賃料の増額を求めて、あなたに賃貸借契約書を作り直したいと申し入れているようですが、これに応じる義務があるでしょうか。
 前述のとおり、あなたと新所有者との間には、従前と同じ内容の賃貸借契約が成立しており、賃料増額という契約内容を変更できるのは、原則として当事者間に合意がある場合だけですから、あなたは、この申し入れに応じる義務はなく、従前の賃料を払い続ければ、賃貸借契約を一方的に解除されることもありません。
 ただし、借地借家法は、地価の急激な上昇下降などで賃料が適正でない場合、当事者が裁判所に申し立てて、賃料を変更することが出来るとする規定を設けています。この手続きによって、裁判所で、賃料の増額が適正であると決定されると、賃料の増額に応じる必要があります。
 一方、裁判所で賃料が決定されるまでに、新所有者が従前の賃料の受領を拒否した場合、あなたは、法務局で従前の賃料を供託できます。供託をすれば賃料不払いという扱いはされません。
 もっとも、前述の裁判所での手続きがなされ、賃料の増額が適正であるとの裁判が確定した場合、適正とされた賃料額と供託した額との差額を、その支払時期から年1割の利息を付けて支払う必要があります。
 新しい所有者が増額を請求してきた場合、増額理由について納得できないならば、弁護士などに相談することをお勧めします。

 

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