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2012年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

業者の不注意で車に傷−修理しなくてもお金受け取れる 神戸新聞 2012年6月5日掲載

執筆者:山本 真史弁護士

Q:先日,家の修繕に来ていた業者が,工具を駐車場の私の車に接触させてしまいました。傷を見積もると5万円でしたが,古い車のため修理に出すつもりはありません。こうした場合、業者からお金を受け取っても問題ないのでしょうか。

A:日本の損害賠償制度は,お金で解決するという金銭賠償の原則が採られています。例えば,物を壊された,怪我をさせられた,プライバシーを侵害された場合,それらの被害がどのような行為によって生じたとしても,その損害を金銭で評価し,金銭で賠償させることで不法行為前の状態に回復させるというのが基本です。
 本件は車の修理見積りが5万円ですので,業者の行為で相談者に生じた損害は,車に傷をつけられたことによる修理費相当額の5万円ということになります。
 では,相談者が実際に5万円を費やし修理をしない場合でも,相談者がその業者に対して修理費相当額を請求できるかどうかですが,結論を申し上げますと,相談者はその業者に5万円を請求できますし,5万円を受け取っても問題ないでしょう。
 本件のような車の損害の場合,修理費相当額の損害は加害行為時,すなわち業者が相談者の車に工具をぶつけて傷をつけたその瞬間に発生します。車に傷がついたその瞬間,相談者には5万円の損害が発生するということです。
 そのため,相談者が傷のついた車をその後に修理するか否かは自由ですし,修理の有無によって損害の有無が左右されることはありません。傷がついた部分のうち一部だけ修理するということも,もちろん認められますし,修理費用相当額の5万円を旅行費用に充てるつもりでも構いません。
 したがって,本件のケースでは,相談者は修理費相当額の5万円を受け取っても法的には問題ありません。

 

 

 

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