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2012年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

遺言ない場合の相続−将来の祭祀費用分は協議を 神戸新聞 2012年8月21日掲載

執筆者:澤上 辰也弁護士

Q:亡くなった父の相続について、妹と協議しています。母は亡くなっており、今後、両親の法要や親せき付き合いなどは長男の私がしていきます。父に遺言はありませんが、相続分はどうなるのでしょうか。

A:お父さまが遺言をしていない場合、民法上では相続分が規定されており(法定相続分)、本件では、あなたと妹さんの法定相続分は2分の1ずつとなります。あなたと妹さんは、遺産を半分ずつ分けます。
 あなたは、家族の代表として、今後の法要や親せき付き合いをしていくとのことですが、今後の法要などを行うに当たって、お墓の管理費用、お坊さんへの御礼、お供え物など、一定の費用が必要とされる事が予想されます。お父さまの遺産の分割協議(遺産分割協議)において、将来必要とされる費用を前提に協議出来ないかといった意見も出るかと思われます。
 この点、お父様のお墓や仏壇、位牌など(祭祀財産と表現されます)は、法律上、遺産とは異なった取り扱いがなされており、遺産分割の対象とされません。
 法律は、遺産を管理するのに必要とされた費用(例えば、遺産を構成する不動産の固定資産税や修理費など)とは異なり、将来の祭祀(法要等)に必要とされる費用について、何ら規定しておらず、祭祀を承継される相続人は、法律上当然に、他の相続人に対して、将来必要とされる費用を請求できません。
 もっとも、祭祀を承継される長男さんにだけ、将来の費用を負担させるのは、やはり不公平感を否めないところです。大切なご両親のことでもありますので、一定の費用を遺産分割協議の場において、相談されることは決しておかしくありません。一度、率直に妹さんにご相談されるのが良いと思います。
  仮に、妹さんとの遺産分割協議が整わない場合には、公平な第三者(調停委員)の助言を得られる家庭裁判所での調停を利用されるのが良いかと思われます。

 

 

  

 

 

 

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