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2012年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

母が子の名義で預金−贈与契約なければ遺産扱いに 神戸新聞 2012年9月4日掲載

執筆者:中原 阿里弁護士

Q:生前に母が、私名義の預金口座を開き、約1千万円を預金していたことが分かりました。口座の管理や出入金は全て母がしていました。名義人は私であるため、母の遺産と考えなくてもよいのでしょうか。

A:相談のケースのように、親が子の名義で、または夫が妻の名義で、口座を開設し、自己資金を預け入れることは珍しくありません。この場合、口座の名義人と実際にお金を出した人(お金を負担した人。「出えん者」と呼びます)が異なるため、後になって、預金者は誰なのか、つまり、預金は誰のものかという問題が生じます。預金の種類や預け入れの事情にもよりますが、裁判所は、実際の出えん者を預金者とする立場を採っています。
 この考えによれば、たとえご相談者名義の預金であったとしても、実際の出えん者、つまりお金の出どころがお母さまである以上、預金者はお母さまということになります。亡くなられた今、預金はお母さまの遺産に属することになります。
 なお、お母さまが相談者名義で預金をした行為が、お母さまからご相談者への贈与である場合には、預金は相談者のものとなり遺産には含まれないということになります。
 もっとも、相談の文面によれば、生前にお母さまが相談者名義の預金をしていたことは、お母さまの死後に知ったと思われます。贈与契約は、もらう側の承諾があって初めて成立するので、今回は、お母さまと相談者との間に贈与契約があったとは認められないでしょう。
 ただし、預け入れに関する事情により結論が異なる可能性もありますので、弁護士に相談するのが良いでしょう。
 なお、相続に関して遺産の帰属(財産が被相続人に属するか)について争いがある場合、遺産に帰属すると主張する側から、遺産確認の訴えという方法で、当該財産が遺産の範囲に属するかを確定させる手続きが取られることがあります。

 

 

  

 

 

 

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