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2012年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

定期建物賃貸借契約−法施行前の契約は切り替え禁止 神戸新聞 2012年12月18日掲載

執筆者:峯松 永典弁護士

Q:1998年頃から借りている住宅の大家さんが変わったので、定期建物賃貸借契約書という契約書を新たに取り交わしました。内容をよく確認すると「契約を更新しない」とあります。契約期間が終わったら明け渡さねばならないのでしょうか。

A:今回問題となっている契約更新のない建物賃貸借契約は、いわゆる定期建物賃貸借契約と呼ばれるものです。
 従来は、定期建物賃貸借契約を結ぶことは法律上認められていませんでしたが、2000年3月1日から施行された法律で、一定の要件のもとで認められるようになりました。
 貸主の立場からすると、契約の更新がなければ契約期間満了時に必ず建物が明け渡されることになり、建物の利用計画を立てやすくなります。通常の賃貸借契約から定期建物賃貸借契約に切り替えたいと考える貸主も少なくないでしょう。
 一方、居住用の建物でこのような契約の切り替えを認めると、借り主の生活拠点が奪われてしまうおそれがあります。このような理由から、現行法では2000年3月1日以前に締結された通常の賃貸借契約から定期建物賃貸借契約への切り替えは禁止されています。
 ですので、今回のケースでも定期建物賃貸借契約への切り替えは許されず、契約期間満了となっても原則として契約が更新されることとなりますので、相談者は引き続き建物に住み続けることができるでしょう。
 もっとも、貸主もこのような法制度を知らない可能性がありますので、このまま放っておくと契約期間満了時に貸主から明け渡しを求められるなどトラブルに発展する恐れもあります。トラブルを避けるため、定期建物賃貸借契約への切り替えができないことを貸主に説明し、理解を得ておく必要があります。
  いずれにせよ、今回のケースのように内容をよく確認しないまま契約書にサインすることは非常に危険な行為といえます。特に居住用の建物賃貸借契約では契約内容に貸主側の意向が強く反映される傾向にありますので、借り主側も一方的に不利な契約を押しつけられないよう、契約内容をよく確認し、場合によっては専門家に相談するなどして自衛していく必要があります。

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

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