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2013年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

執行猶予判決時の資格取得制限−期間経過後は通常制約なしに 神戸新聞 2013年6月4日掲載

執筆者:松田 昌明弁護士

Q:大学生の息子が、車を運転して人にけがをさせ、禁固1年、執行猶予3年という判決を受けました。禁固以上の刑を受けると、就けない職業もあると聞きます。息子は一生、そのような職業に就くことができないのでしょうか。

A:車を運転して人にけがをさせたとき、運転時の状態や被害者のけがによっては、刑事裁判にかけられます。今回のケースのように、「禁固1年、執行猶予3年」という判決が言い渡されると、1年間刑務所に入らなければいけない「禁固」という処罰の執行が3年間猶予され、その3年間に罪を犯すようなことがなければ処罰は執行されないことになります。
 ただし、今回のケースのように執行猶予の判決を受けた場合、取得できる資格が制限されることになります。例えば、国家公務員や地方公務員は、職員になれない事由として「禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又は執行を受けることがなくなるまでの者」と法律に規定されています。他にも、弁護士、教員、保育士、介護福祉士など各種の資格には法律上、同様の規定があることが多く、その資格をとることができません。自営業をする場合でも、業種によっては、地方自治体の「許可」などを取得できない可能性がありますので注意が必要です。また、会社に就職するときにも、会社の就業規則に同様の規定があることが多く、就職できない可能性があります。
 とはいえ、このような制約は、憲法で保護されている職業選択の自由を制約するものであり、永遠に続くわけではありません。執行猶予期間が経過した後は、このような制約もなくなるのが通常です。今回のケースでは、執行猶予期間の3年が経過すれば、それ以後に資格を取得し、希望の職に就くこともできるようになります。
 万が一、今回の相談のような事態になった場合には、希望している職種の資格を定めた法律、あるいは希望している会社の就業規則や応募条件などがどのように定めているのかを正確に確認することが大切です。もし分からない点や不安な点があれば、弁護士にご相談ください。

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