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2013年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

同棲相手による夫への慰謝料−婚姻関係破綻なら払う必要なし 神戸新聞 2013年7月2日掲載

執筆者:木野 祐子弁護士

Q:夫のドメスティック・バイオレンス(DV)が原因で、3年ほど夫と別居しています。離婚はしていません。最近、別の男性と同棲し始めたところ、夫が私の住所と同棲相手がいることを突き止めたようです。同棲相手は夫に慰謝料を支払わなければならないのでしょうか?

A:「婚姻関係を維持する利益」は法律上保護されており、一方の配偶者や第三者により容易に侵害できないものとされています。
 そして夫婦は互いに「婚姻関係を維持する利益」を持つため、一方の不貞行為は、原則としてもう一方への不法行為となります。
 不貞関係になった第三者も、結婚の事実を知らないような場合を除いて不法行為責任を負い、連帯して慰謝料を支払うべきことになります。これは、不貞関係の相手と共同してその配偶者の「婚姻関係を維持する利益」を侵害しているためです。
 ところで今回は妻に、夫のDVが原因で3年ほど夫と別居しているという特別の事情があります。このような場合でも、妻と不貞関係にある同棲相手は夫に慰謝料を支払わなければならないのでしょうか?
 裁判実務上は、婚姻関係がすでに「破綻」した後の不貞行為については、配偶者もその相手である第三者も原則として不法行為責任を負わないと考えます。配偶者の婚姻関係を維持する利益は保護に値しないといえるからです。
 「破綻」の有無は、夫婦間のさまざまな事情から総合的に判断されるべきものですが、今回のケースでは、妻が夫のDVを原因として3年ほど別居している上、その間も音信が途絶えているようですから、破綻していると認められる余地も十分にあるでしょう。この場合、同棲相手は夫に対し慰謝料を支払う必要はありません。ただし、破綻の有無、交際開始時期が争いとなれば、最終判断は証拠に左右されます。

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