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2014年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

他人のボールでけが−ゴルフ場運営者らに賠償責任 神戸新聞 2014年3月4日掲載

執筆者:大坂 章仁弁護士

Q:ゴルフ場で、隣のホールから飛んできたボールでけがをしました。誰が打ったか分かりません。誰にも責任を取ってもらえないのですか。

A:ゴルフ場を運営または所有する人の責任を問うことが考えられます。民法は「土地の工作物の設置または保存に瑕疵〔かし〕(欠点、欠陥)」があるときは、その瑕疵によって生じた損害について、まず占有者に、次に所有者に賠償責任を負わせています(民法717条)。
ゴルフ場が「土地の工作物」に当たることは、今では争いはありません。「占有者」という言葉は分かりにくいかもしれませんが、ゴルフ場を現実に運営・管理している会社に当たります。運営会社がゴルフ場の所有者の場合も多いでしょう。
瑕疵は、その種類の工作物として通常備えるべき安全性を欠いていることとされます。ゴルフ場に瑕疵があるかどうかは、事故が発生したゴルフ場のコースや設備に照らして具体的に判断されます。
今回は、コースのレイアウトから見て、隣のホールからボールが飛来する恐れがあるか、過去に同様の事故があったかなどが問われます。このような危険があるにもかかわらず、コースに高低差を設けたり、植栽や防護柵を設置したりするなど、事故防止措置を取っていなかった場合、ゴルフ場に瑕疵があると認められるでしょう。
裁判例でも、隣のホールからボールが飛来する恐れがあるのに、防護ネットなどの防壁を設けていなかったゴルフ場に対し、瑕疵があるとして被害者の賠償請求を認めたケースがあります。
ゴルフ場の所有者と運営・管理者(占有者)が異なる場合、占有者は損害の発生防止のため必要な注意をしたときは責任を免れますが、免責が認められるのはまれです。仮に、占有者の免責が認められても、所有者の賠償義務は免責されないため、被害者にとっては有利な制度といえます。
もっとも、被害者の側に落ち度(過失)があれば、賠償額が減額される可能性があることに注意する必要があります(民法722条2項)。

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