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2014年 神戸新聞掲載『くらしの法律』相談

ボクシングで相手にけが−正当業務行為なら違法性なし 神戸新聞 2014年4月16日掲載

執筆者:守谷 自由弁護士

Q:ボクシングジムでの練習中、私のパンチで相手の鼻を折ってしまいました。何か責任を負うのでしょうか。

A:故意に他人を傷つけると、民事上は損害賠償という責任が生じ(民法709条)、刑事上は傷害罪(刑法204条)などの刑罰という責任が科せられます。
しかし、他人を傷つけた場合でも、例外的に民事上も刑事上も責任を負わないことがあります。これらの責任は、違法であることを前提としています。違法ではなければ、法律上の責任は負いません。
相談内容の違法性がなくなる場合として、二つの考え方があります。第一に、練習の相手方の承諾行為があるケースです。ボクシングジムでのスパーリング(模擬戦)などの練習であれば、当然相手のパンチを受けることは想定されています。その意味で被害を受けた相手は、傷害を受ける結果を認容・承諾していることになり、民事上、刑事上も責任を負わなくなります。
第二に、ボクシングジムでの練習中なので、スポーツ行為として「正当業務行為」とされ、違法性がなくなることが考えられます。
刑事上では、刑法35条により、正当業務行為は罰しないとされ、違法性がなくなると規定しています。規定がない民事上でも、刑事上と同様に、正当業務行為は違法性がなくなると考えられています。
したがって、通常の練習の範囲内であれば、どちらの考えによっても、責任を負うことはないと考えます。
もっとも、相手がパンチを受ける行為を想定していない練習中に傷害を負わせたときはどうでしょうか。相手の承諾行為でも、正当業務行為でもないので、違法性なくならず、民事上、刑事上の責任を負うことになります。

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